日本国籍の方が香港を観光目的で訪れる場合は、通常ビザを取得せずに入国しますが、香港で90日を超える滞在を計画する場合、就労や起業をおこなう場合、学校に通う場合は香港のビザを取得しなければなりません。そのため香港への滞在を計画する際、ビザの取得は非常に重要なプロセスです。香港は様々なビザの種類を提供しており、異なる目的やニーズに合わせて取得が可能です。以下に、観光目的以外で香港に滞在する際に必要な一般的なビザの種類を示します。
1.就労ビザ / Employment Visa
就労ビザ(Employment Visa)は、会社の従業員のために用意されたビザであり、香港に赴任が決まった方や現地採用者の方が多く申請しています。雇用先の会社(スポンサー)と申請者の両方がビザの審査対象となります。香港の日本人社会の間では飲食店や美容関連(美容室やエステなど)での就労ビザ取得が困難であると言われていますが、香港イミグレーションが定めるビザの基準を満たしていれば業種や業界に関係なくビザの取得ができます。就労ビザの保有者が転職する場合はスポンサー変更が必要です。スポンサー変更の申請では就労ビザと同様の審査がおこなわれます。
2.短期就労ビザ / Short-term Employment Visa
香港で開催される展示会や催事などの短期イベントで商品の販売をおこなう場合、まず短期就労ビザ(Short-term Employment Visa)の取得が必要かどうかを確認することが大切です。報酬が発生しない新規事業の立ち上げやセミナー講師としての登壇であっても短期就労ビザが必要となる場合があります。香港イミグレーションに不法就労と判断され禁固刑となった例が複数ありますのでご注意ください。
3.投資ビザ / Investment Visa
投資ビザ(Investment Visa)は香港法人の株主となり香港で起業家として事業をおこなうために用意されたビザであり、香港法人と申請者の両方が審査対象となります。申請者の学歴や職歴に加えて会社側の事業内容や事業投資額なども審査の対象となるため審査期間が長引くことがあります。ビザ更新では計画通りに会社運営がおこなわれているかを確認されることも多いことから、株主構成を変更して投資ビザではなく就労ビザを申請する方もいます。
4.家族ビザ / Dependant Visa
家族ビザ(Dependant Visa)は香港で就労している方の家族、永住権所有者や香港人と結婚をしている家族(配偶者、18歳未満の独身の子供、60歳以上の両親)が申請できるビザであり、香港政府が外国人に発給しているビザの中で最も制限のないビザとなります。ビザ取得後は自由に就職や転職がおこなえ、香港会社の株主や役員としての活動も可能となります。ただし香港の経済状況や政府の雇用政策により制限が入る可能性もあります。
5.トップタレントパス・スキーム / TTPS
トップタレントパス・スキーム(Top Talent Pass Scheme / TTPS)とは、香港政府が海外からの高収入人材または高学歴の優秀人材を惹きつけるために2022年末に開始した制度であり、年収250万香港ドル相当以上、または世界のトップ100大学を卒業した方が対象となります。ビザを取得すると香港での2年間の滞在が許可され、就労や転職、会社設立や起業を自由におこなうことができます。また、配偶者や子供のための家族ビザを取得することも可能です。
6.研修ビザ / Training Visa
香港の企業のもとで研修を受ける場合は研修ビザ(Training Visa)が必要となります。研修ビザは香港でしか得ることのできない技術や知識を習得することを目的に取得するビザであり、主にスポンサー(香港での研修先の企業)が審査対象となります。ビザの許可により最長12ヶ月の研修が認められますがビザの延長はできません。なお、研修内容が香港以外でも習得できると判断される場合や、就労が疑われる内容である場合にはビザは許可さません。
7.ワーキングホリデー(ワーホリ)ビザ / Working Holiday Visa
ワーキングホリデー(ワーホリ)ビザ(Working Holiday Visa)は、香港で12ヶ月以内の休暇を過ごすことを目的に取得するビザです。香港とワーキングホリデー協定を締結している参加国の方であれば18歳から30歳までが申請できます。申請者は自国に居住していなければならず、ビザが許可されると短期就労や短期就学も認められます。
香港のビザの種類は多岐にわたり、異なるニーズに合わせて柔軟な調整が可能で、外国人労働者、投資家、家族、研修生、専門家、若者などが多彩な選択肢を利用して香港での機会を追求できます。各ビザには異なる要件や手続きがありますが、条件を満たし、必要な書類を提出すれば、香港で新たな生活を始めることができます。ただし、ビザの種類や要件は変更されることがあるため、具体的な情報は香港特別行政区政府の入出国管理局(Immigration Department)の公式ウェブサイトや最寄りの香港領事館・大使館で確認することをお勧めします。
香港ビザ(Visa)なら香港BSを使用して申請することをおすすめします。ビザには様々な種類があり手続きも様々なので現地の専門スタッフにサポートしてもらうとスムーズに進みます。