香港はアジアでも有数のビジネス拠点であり、多くの人々がビジネスの機会を求めて訪れます。香港で就労するためには適切なビザを取得する必要があり、その中でも多くの方が取得するのが就労ビザになります。就労ビザを取得するためにはいくつかの条件を満たす必要があります。以下では、香港の就労ビザを取得するための主な条件などを解説します。
香港の就労ビザは、一般就業政策(GEP)という香港政府が設けている制度に基づいて審査が行われます。GEPは、申請者だけでなく雇用企業も審査対象となります。条件の一つとして、大学を卒業しているかそれに値する資格を有していることというものがあります。ですが大学を卒業していない場合でも、ローカルの人材では行うことができない仕事や仕事内容に関連する資格を持っていたり、似た分野での就労経験があれば考慮されます。また、担当予定の仕事内容が申請者の学歴や経験と関連があるということも重要で、条件の一つになっています。この条件に関しては、関連する分野において3年以上の就労経験があると良いとされています。香港で担当予定の仕事内容と過去に行っていた仕事内容が同じまたは関連性があることが大切になってきます。学歴が高校卒業や専門学校卒業の方の場合、大学卒業の方に比べてさらに関連業務での就労年数が求められます。就労予定先の企業で申請者を必要とするポストの空きがあることも大切な条件の一つです。就労予定の企業にすでに同じ職位あるいは類似の職位の人材がいる場合はそれぞれの役割分担を明確にする必要があります。そして、申請者の雇用条件(給与、家賃手当、医療保険、その他の福利厚生など)が役割と担当業務から見て標準的な水準を満たしていることという条件もあります。目安としては家賃補助も含めて月収30,00香港ドル以上が望ましいとされています。あまりにも給与が低い場合は、ローカルの人材で代替ができる仕事内容だと香港政府にみなされてしまう可能性があります。申請者が国内外で大きな罪を犯したことがない、香港で入国拒否(安全上の理由)をされたことがないということも重要な条件の一つです。雇用企業は、会社の規模、経済状況、事業内容、事業計画などを説明する必要があります。香港でオフィスの賃貸契約を行っていることや会社運営における資金などを証明できることが重要です。事業内容や計画においては、新しい会社である場合は特に会社のホームページやパンフレット、商品イメージがあると良いとされています。ローカルの人材を雇っている、雇ってない場合はこれから雇う予定もしくはローカルの人を対象に十分な採用活動を行った後であるがローカルの人材では行うことができない業務であることも示す必要があります。
就労ビザは、必要な書類を全て香港政府に提出し受理されてから通常4週間から6週間ほど審査に時間がかかります。場合によっては、追加の書類を要求される可能性もあるので就労開始予定の3ヶ月前にはビザの資料を提出することをおすすめします。
GEPで設けられている条件は、全てをクリアしないと就労ビザが許可されないという訳ではなく申請者と雇用企業側の全ての面を総合して判断されます。ですので、当てはまらない条件がある場合もビザの取得が可能なことが多くあります。このような場合は特にビザ専門家に相談をしてビザの申請、取得を行うことをおすすめします。就労ビザを取得し、香港での新たなビジネスの機会を掴むためには、十分な準備と専門家の助言が不可欠です。香港での生活や仕事に必要な手続きをしっかりと踏まえ、スムーズな移行を図りましょう。